第49回母と女性教職員の会 決議文

 憲法9条を守り広げ 平和な世界へ

 4月17日名古屋高裁で「バグダットへ行く米兵を輸送することは武力の行使を放棄した9条1項に違反」の画期的な判決が出されました。
  9,11の同時多発テロからアメリカの対テロ戦争が始まり、核兵器保有という偽りの口実のもとイラクに軍事侵攻しました。アメリカの要求に応じ、日本政府は「国際貢献」の名の下、テロ特措法を制定して自衛隊のインド洋への派遣を強行し、続いてイラク派遣に踏み切りました。政府は平静を装っていますが高裁判決に大きな打撃を受けています。名古屋高裁判決は平和を願う国民の勝利であると同時にこれからの日本の役割を考える上で9条の方向を示した点で大きな意義をもつものです。
  憲法改悪の最大のねらいは、アメリカの求めるままにいつでも地球上のどこへでも自衛隊を派遣してアメリカと肩を並べて戦争できる体制を作ることです。
  国民世論は「武力=戦争ではテロはなくならない」「自衛隊派遣ではなく平和的な援助を行うべきだ」「国民の安全を脅かす米軍基地はいらない」「憲法9条は変えるな」など、平和を求める世論が急速に高まり、世論調査では15年ぶりに改憲「反対」が「賛成」を上回り、9条についても変えるべきでないが6割に達するという状況がうまれました。
  8月広島で行われた平和記念式典で広島市長は「日本国政府は世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策にははっきりと『ノー』と言うべきです」と述べています。
  世界はすでに平和の方向に動き始め、EU諸国はイラク戦争反対、宇宙軍拡競争抑制などアメリカの軍拡体制に一線を画する動きが強まっています。長い間戦争に苦しんだ東南アジアでは、「武力による威嚇または行使の放棄」や「紛争の平和的手段による解決」など、戦争放棄を定めた日本国憲法と共通する目標を明記した東南アジア友好協力条約が1976年に締結されました。今、加入国は当初の5カ国から世界24ヶ国になり、世界人口の57%を占める国々が参加する条約へと大きく発展してきています。
  大江健三郎氏らが呼びかけた「9条の会」は草の根のように広がり、3年を経た現在全国で7,294にまで増え続け、沖縄でも徐々に広がりつつあります。 平和を希求する世論が高まっている今、日本政府がやるべき事はアメリカ言いなりではなく、憲法9条を持つ国として「軍事によらない平和」をめざし、世界の先頭に立つ事ではないでしょうか。
  戦後、61年間私たちを守ってきた9条を誇りにし、行動し、戦争のない平和な社会を子どもたちに手渡すために頑張りましょう。
 

    2008年12月5日

沖縄県高教組南部支部  第49回母と女性教職員の会