日本国憲法9条で21世紀に平和な世界を

 本日、日本国憲法が施行されて60年目の誕生日を迎えました。そして、きたる5月15日には、日本に復帰した沖縄にこの憲法が適用されてから35年の節目を迎えます。

 日本の支配層は、憲法施行後まもなくから一貫して憲法の平和主義を嫌悪し、その改定を目指してきました。そして、安倍総理大臣は、任期中の改憲を表明し、今国会では、ついに改憲手続法案を衆議院で通過させるに至りました。

 しかし、この60年間、9条があったがために奪われた命、救えなかった命はあったでしょうか。いいえ、9条は誰をも傷つけることはありませんでした。

 逆に戦後、もし9条がなくなり、アメリカの同盟軍となる新「日本軍」をもっていたとしたら、日本はどうしていたでしょうか。韓国軍がそうしたとおり泥沼のヴェトナム戦争に、そしてイギリス軍が加わったとおりイラク戦争に、「日本軍」が参戦していたのではないでしょうか。わたしたちが、この60年を「戦後」と呼び続けることができたのは、憲法9条があったからにほかなりません。

 それでは、いまだ戦争・紛争による犠牲者が絶えない今日の国際社会で、わたしたちは、これからどのような役割を果たすぺきでしょうか。

 9条は、徹底した非戦の思想で人々の命を守ろうとしています。その保障となるのは、まさに日本国憲法前文が述べている、「平和を愛する諸国民の公正と信義」にもとづいた「安全と生存」の確保という「人間相互の関係を支配する崇高な理想」なのです。アメリカ軍のイラクでの失敗で明らかなとおり、国際社会では、武力ではない別の道による平和の構築が求められています。憲法9条をもっているわが国こそ、そのもう一つの道を世界に指し示すことができるのではないでしょうか。

 わたしたちは、9条を変えてイラクでのアメリカと同じ過ちを繰り返すのではなく、この60年間わたしたちを守ってきた9条を、次の60年にはより世界に広めたいと考えています。19世紀の国際社会では、いかなる戦争も許されていました。20世紀には戦争が違法化され、国連という紛争解決機関が産み出されました。21世紀は、わたしたちの力で、戦争がなくなる時代にしようではありませんか。憲法記念日にあたり、このことをすべての人々に呼びかけるものです。


2007年5月3日

ネットワーク九条の会沖縄
九条の会やえやま
みやこ九条の会
大宜味村憲法九条を守る会
9Pしらさぎ会
9条の会首里
大学人九条の会沖縄
沖縄・女性9条の会
はえばる九条の会
9条の会糸満