マジュン、チバラヤー! 憲法   (憲法よ、一緒に頑張ろう!)
  2007年 沖縄・憲法宣言

 今日で日本国憲法は60歳を迎えました。しかし、みなさんはご存知でしょうか。沖縄では、憲法はまだ35歳でしかないのです。日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、翌1947年5月3日に施行されました。サンフランシスコ講和条約により、日本は1952年に主権を回復しましたが、沖縄は1972年に日本に返還されてから後、憲法が適用されるようになったのです。しかし、すでに沖縄では、1965年4月21日に、5月3日を憲法記念日として制定していました。沖縄は、住民の熱望により、実際の憲法よりも、記念日としての憲法を先に手に入れていたのです。

 先の大戦中、日本はアジア諸国において、武力の行使により、兵士のみならず一般市民をも巻き込んで、多くの尊いいのちを奪ってしまいました。そして戦争の末期には、「捨て石作戦」と呼ばれるオキナワでの地上戦が展開され、さらにヒロシマ・ナガサキの原爆投下を招くこととなりました。このような戦争の惨禍をふたたび経験することのないよう、日本国憲法は9条において、武力による威嚇さえ許さず、あらゆる戦争の放棄と戦力の不保持とを約束したのです。

 現在の国際社会では、9・11事件を転機に、テロという理不尽な武力行使や、それに対する報復という「負の連鎖」を招いてしまっています。国際紛争の解決の手段として武力を用いることは、罪のない多くのひとびとの命をさらに奪うことになるのです。このような状況だからこそ、9条を中心とした平和憲法の理念がより重要になるのではないでしょうか。

 ところが、日米軍事同盟の強化など、ここ数年間の日本を取り巻く状況は、平和憲法の礎を揺るがし、予断を許さないものとなっています。本来、憲法によって縛られるべき国家権力側の意図により、武力攻撃事態法などの有事法体制がつくられ、日本は「戦争ができる国」へと変えられようとしています。愛国心を強要する教育基本法改悪がなされ、また、改憲のための国民投票法案も衆議院で可決され、憲法を取り巻く状況はますます危ういものとなっています。

 しかし、ようやく沖縄が手に入れた平和憲法をわずか35年で手放すわけにはいきません。今日この憲法講演会に参加したわたしたち一人ひとりは、ここ沖縄から、アジアをはじめ世界のひとびととともに、平和憲法の理念を守ることを宣言します。マジュン、チバラヤー!憲法。憲法とともにがんばりましょう!

2007年5月3日 2007憲法講演会